能登半島は、地域主体で何世紀にもわたり農林産物の生産や持続的な生物資源の利用とそれにより育まれた多様な現地生物資源、日本的なきれいな里山景観、昔からの伝統的な技術及び文化・祭礼など、能登は地域に根差した多様な伝統資源が集約される地域です。
海・太陽・風の恵みを活かした豊かな資源を生み出す環境の中、能登の魅力を十分に活かし、「あげ塩」は作られています。
揚げ浜塩田は、かん水をとるための装置です。
塩田は、海面より高い所の地面を平坦にならし粘土で固めてできていて、海水を汲み上げて塩田地盤の砂にかけ、太陽熱と風で水分を蒸発させ砂に塩分を付着させます。
砂が乾いたら沼井(ぬい=かん水抽出装置)に集めて海水で洗い濃い塩水をつくります。
  • 海水を汲み上げ砂が敷いてある塩田に撒く
  • 砂が乾いたら集めて沼井に入れる
  • 沼井に海水を注いで砂についた塩分を溶かす
  • 沼井の下からかん水がでてくる(→後で煮つめて結晶化させる)
  • 沼井に入れた砂を塩田に戻す

※揚げ浜塩田で作られた塩(製造工程)  PDFダウンロードは、こちらをクリックしてください。

能登半島が日本海に突き出た沖合いは寒流と暖流がぶつかる海域です。
能登半島の海は、日本海でも綺麗な海水だと言われております。

「あげ塩」は、能登半島の日本海の外浦の海水で作られた塩です。
※能登半島は富山湾側の内浦と日本海側の外浦があり、静かな内浦と荒荒しい外浦(特に冬)があります。

大きな川も無く海水の濃度も一定であるので塩作りには大変適しています。海水の濃度は約3%の濃度です。

【製造場所】






           

2011年6月11日、石川県羽咋市以北の4市4町(七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、志賀町、中能都町、穴水町、能都町)の「能登の里山里海」が、国連食糧農業機関(FAO)が創設した制度「世界農業遺産(GIAHS)」に認定されました。日本国内では第1号の認定です。同時期に新潟県佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」も認定されています。


能登の里山里海には、神子原米、能登野菜などの農産物、千枚田、春蘭の里などの景観、揚げ浜式製塩、能登各地の炭焼き、海女漁など里山里海の資源を活用した伝統的技術、あえのこと、能登各市町に伝わるキリコ祭りなどの文化・祭礼など、ずっと昔から何世紀にもわたり農林水産業や人の暮らしの中で育まれてきた豊かな地域資源があります。その伝統的な農村文化の下で「持続的な農業生産システム」の振興や里山・里海の保全活動が進められている「能登の里山・里海」の取組みが認定されました。


※世界農業遺産(GIAHS)とは
世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems:GIAHS)は、社会や環境に適応しながら何世紀にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ、世界的に重要な地域を次世代へ継承することを目的として、2002年(平成14年)に国連食糧農業機関(FAO、本部:イタリア・ローマ)が創設した制度です。これまでの世界農業遺産(GIAHS)認定サイト(地域)は、以下の12サイトです。(2011年8月現在) 日本(2)、ペルー、チリ、タンザニア・ケニア、アルジェリア・チュニジア・モロッコ、フィリピン、中国(4)、インドです。

[世界農業遺産 12サイト]
・能登の里山里海(日本・石川県)
・トキと共生する佐渡の里山(日本・新潟県)
・古代バレイショ農法:アンディス農業(ペルー)
・チロエ農業(チリ)
・マサイの伝統(タンザニア・ケニア)
・マグレブのオアシス(アルジェリア・チュニジア・モロッコ)
・イフガオの棚田(フィリピン)
・水田養魚(中国・浙江省)
・ハニ族の棚田(中国・雲南省)
・万年の伝統的稲作(中国・江西省)
・トン族の稲作・養魚・養鴨(中国・貴州省)
・サフラン栽培:サフラン農業(インド・カシミール)

日本近海には大きく分けて4つの海流が流れています。

  • フィリピンあたりから流れてくる暖かい海流「黒潮(日本海流)」
  • 沖縄あたりで黒潮から北へ分かれて対馬海峡、日本海へ向かう「対馬海流」
  • 北太平洋やオホーツク海から流れてくる冷たい「親潮(千島海流)」
  • 間宮海峡付近から南下してくる「リマン海流」

「黒潮」は流れが速く比較的プランクトンの量も少ないため透明度が高く、深い紺色をしているので黒潮と呼ばれています。
南の暖かい海で育った魚が潮にのってやってきます。

「対馬海流」は対馬海峡を経て日本海沿岸を流れていきます。そのため古代から朝鮮や大陸との交易に利用されてきました。太古の神話の国「出雲」が繁栄したのは対馬海流のおかげだと言われています。

「リマン海流」はロシアと中国の国境を流れるアムール川(黒龍江)あたりから間宮海峡をへて日本海へ流れ込む海流です。最近では対馬海流が北上する過程で冷やされ逆流南下しているとされています。

参考)文章:日本の海に行こう

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